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コトノハヤ徒然

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07.15 Sun

SSSめいたもの。

SSSをつなげたもので、つなげたらSSぐらい。
たまには文もかきますという。
twitterのメモ庫で書き溜めたやつがまた増えてきたのでまとめました。
風景描写がすきなので、GMなんかをするときもとっさに素敵な文がでてくるようになれればいいのですが。
デュカの雨の日。本文は続きに。
朝から、茹だるように暑い日だった。
早々と登った日差しは痛い程に強く、いつもは涼を感じさせてくれる波の音でさえ、鬱陶しく体にまとわりつく。

重たい体を固い寝台から起こす。

上等とは言い難い木製のそれが発するのは、耳障りな軋みだ。
寝間着がわりに一枚引っ掛けただけのシャツは、絞れそうなぐらいぐっしょりと、汗でぬれていた。
体と同じくらいに、気怠い空気に満ちた部屋。
半分だけあけていた雨戸をすっかりあけて、少し視線を上げると、遠く水平線の彼方に黒い雲が伸び上がりつつあるのが見えた。

遠いあの雲は、遠くない。
摺り足でジリジリと、意外なほど早くここへやってきて、やがて――雨をもたらすのだ。



雨。
激しく大地を打ち鳴らし、草葉に叩きつける雨。
湿った土の匂いが、あの日それとともに漂った、――鉄に似た生臭いあの香りを蘇らせるようで。

私は雨戸を固く閉じた。
頭からシーツをかぶり、寝台の上に戻る、壁に寄りかかる。

――またこの雨を一人でやりすごさなければならない。

こんなに暑いのに、体の芯が奇妙に凍えている。
――雨粒が屋根を叩く音だけが、ただ響き続けていた。