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コトノハヤ徒然

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09.27 Thu

続々SSSのはきだめ。

更新ねたにこまって、SSSをちらちら。
種類的にはDX的な感じです。
本文は、追記に格納。

彼女の朝は早い。

ゴミ出しを終えて一息ついた少女は、一瞬天を仰いだ。
既に青空にしっかりと鎮座した太陽が、焦げ付きそうな熱視線を送ってくる。

「今日も暑くなりそう」
――ひとりごちて、アパートの自室へ戻り始める。

時刻は、6時。


シンプルなテーブル、パイプベッド、本棚、テレビ、そして冷蔵庫。
隣にうさぎのぬいぐるみを座らせて、トーストと牛乳を口に運ぶ。
つけっぱなしのテレビから流れるのは、夏休みにあちこちで起こる、水の事故や交通事故…あとを立たない。

『N市の○○海水浴場で、3人が流され行方不明と…』
――あれはオルクスバロールの絡んだ“神隠し”。
任務に当たるエージェントがうまくやってくれることを祈るしかない。

『○○町の××さん方で火災が…』
――サラマンダーのジャーム絡み、駆けつけた時には火の海だったとか。

『○○道では交通事故が相次いでいます』
――犯人はまだ捕まえていない件。
早急に何とかしないと。
考えながら、もそもそと食パンを口に運ぶ。

時刻は、8時。


支部に詰めて、ひっきりなしに流れてくる『事件』の処理。
夏休みが過ぎるのは、早かった。
今日まで何とか被害を最小限に抑えてきたと思う。
犠牲になったのは、夏期講習と夏休みの宿題。

時刻は、12時。


シャープペンシルの後ろで唇をなでながら、すぎてゆく夏休みを思う。
数学の宿題はあと三分の一残っている――。

時刻は、17時。


明日は夏休み最終日。
その日常を、恙無く守れれば、ふつうの人とは少し違う、彼女の長い長い夏休みは終わる。

「…明日も良く晴れそうね」

すっかり天の高くまで登った月を眺めて一人ごちる。
月に祈るような気持ちで、彼女は明日を待つのだ。

時刻は、23時。


――そして、現実はいつも、優しくはないのだけれど。